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「いったいこれは何なんだろう?」と想像力をかき立てられ見る者に強烈なインパクトを与える数々のアートで知られるスペイン出身の芸術家サルバドール・ダリ。
角川武蔵野ミュージアムで、現在開催中の【 サルバドール・ダリ エンドレス・エニグマ 永遠の謎 】と言うタイトルのダリ展は、絵画を鑑賞する通常の美術展とは異なり1100㎡以上の巨大空間内360度すべての壁面や柱、床面に映し出されるダリが残した幻想的で非現実的な世界観の絵画・写真・映画・ジュエリーデザイン・記録写真などで構成された映像を、ピンク・フロイドのサウンドと共に体感する没入感溢れる全く新しいデジタルアート。
このデジタルアート空間は歩き回るもよし設置されたソファーで寛ぐもよし自由なスタイルでダリの作品を楽しめ、動画撮影とフラッシュは禁止ですが写真撮影は可能。
約30分強の映像は、偏執狂的・批判的方法、ジュエリーとメイウエスト、映画と写真、シュルレアリスム初期、ダブルイメージ、原子核神秘主義、キリストとガラ、新しい古典などの全12幕で構成されており、スマートフォンで会場に設置されたQRコードからアクセスすると映像に合わせた解説を聞けるのでイヤホンを持参することをおすすめします。
シュルレアリスムというダリが用いた表現は、意識と無意識の混ざった状態や夢と現実が混ざった状態などの夢や無意識の世界を表現しており、現実と非現実の境界を曖昧にする特徴があるとの事。初体験のデジタルアート展はダリの思い描く心の中の精神世界や夢に入り込んだような錯覚を覚える映像空間でした。
「エンドレス・エニグマ 永遠の謎」というタイトルから、連想したのはヒーリングミュージックで知られる「エニグマ」グレゴリオ聖歌やワールドミュージック、ハウスミュージックなどを融合した独特な世界観のサウンドで1990年代に世界的にヒット。
ダリのアートとピンク・フロイドのサウンドの組み合わせは両者共にエキセントリックなので、とても親和性が高いと思います。そして「エニグマ」のサウンドもまたダリの世界観との相性が良いのではないかなと感じました。
【 サルバドール・ダリ エンドレス・エニグマ 永遠の謎 】
2024年5月31日まで開催
角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市東所沢和田3丁目31−3 ところざわサクラタウン)